XLS20とXLS14
2022/03/16
2021 年より XRPL 上での NFT 発行について多くの進展がありました。 今回はその中で標準化のために議論が行われてきた、XLS20 と XLS14 の比較を行ってみます。
XLS20
Ripple 社による XRPL に NFT 機能を追加する修正案です。
各アカウントは NFTokenMint トランザクションを発行することで "XRPL 内で一意に識別される TokenID" を付与された NFT を発行することができます。
特徴として発行者による取引手数料の徴収、第三者による NFT の代理発行、NFT のブローカー取引が可能です
コンテンツの紐付け
NFTokenMint トランザクション発行時に URI パラメータにコンテンツを示す文字列を格納可能です。
コンテンツを格納している AWS S3 や IPFS 等のストレージのアドレス、コンテンツ情報を記載した JSON ファイルのアドレス等が格納されます。
URI パラメータは NFTokenMint トランザクション発行後は変更不可能です。
NFT(XLS20) の発行手順
- Mint トランザクションの発行
NFTokenMintトランザクション
XLS14 (現在非推奨)
XRPL Labs の創設者である Wietse Wind 氏による一時的な規格案で IOU の機能を活用し、NFT を発行しようという案です。
発行者は分割不可能な最低量の IOU を発行し、発行アカウントをブラックホール化させることで IOU の追加発行を行えないようにします。
トークンの情報保持の関係上、基本的に発行アカウント 1 つにつき 1NFT のみ発行可能のため 1NFT 発行のためのコストが高くなります。(主にアクティベーション手数料)
特徴として、DEX(分散型取引所)にて取引が可能です。
コンテンツの紐付け
AccountSet トランザクションにて Domain パラメータにコンテンツを示す文字列を格納可能です。
コンテンツを格納している AWS S3 や IPFS 等のストレージのアドレス、コンテンツ情報を記載した JSON ファイルのアドレス等が格納されます。
Domain パラメータは発行アカウントがブラックホール化されるまでは何度でも変更可能です。
NFT(XLS14) の発行手順
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NFT 管理アカウントと発行アカウントの2アカウントを用意
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(発行アカウント) Domain へトークン情報の設定
AccountSetトランザクション
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(NFT 管理アカウント)発行アカウントへのトラストライン設定
TrustSetトランザクション
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(発行アカウント)NFT 管理アカウントへのトークン送付
Paymentトランザクション
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(発行アカウント)既知のブラックホールアカウントへのレギュラーキーの設定
SetRegularKeyトランザクション
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(発行アカウント)発行アカウントのマスターキーを無効化
AccountSetトランザクション